第31章

荘園の火災原因は二日間の調査ですぐに判明した。火元は消えていないタバコの吸い殻で、床に置かれていたカーテン生地に落ちたものだった。

取り付け作業員は自分が喫煙していた事実を素直に認めたが、唯一疑問が残る点は、可燃物の近くに吸い殻を捨てていないと主張していることだった。

しかし、現場の監視カメラはすでに損傷しており、他の人的証拠も物的証拠もなく、事件はこのまま結審した。

藤原美佳はこのニュースを聞いて、ようやく胸のつかえが下りた。

だが、あの朝の相澤お爺さんの言葉を思い出すと、また頭が痛くなった。

「あのクソじじい、早く死んでくれないかな?ここで邪魔してるだけなんだから」

荘園から...

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