172-告白と犯行

犬や鳥のアルファたちが、ベラミーにはその役割が務まらないと延々と語っているのを聞いていると、私は彼に代わって惨めな気持ちになったり、激しい怒りを覚えたりと感情が忙しない。彼らの言い分は、男であるベラミー一人ではその地位にふさわしくないという、完全なる性差別だ。そこでアルファ・コーエンが、少しはまともな意見を挟んだ。

「今議論すべきことではないと思うが、アルファの仕事量は本来二人でこなすものとして想定されている。妻がいなければ、私だってどうなっていたかわからないよ」と、彼は淡々と認める。まあ、それならまだ少しは納得できる言い分だ。

「助けならある」ベラミーが穏やかに答える。

「妹など数に入...

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