カム16-真実と誘惑

翌晩、ハリーからの質問攻めは留まるところを知らなかった。その大半は、好きな食べ物は何かとか、一番好きな動物は何かといった、他愛のない答えやすいものばかりだ。だが、彼が私の家族について探りを入れ始めた途端、私は返答に窮した。

答えるのを拒むことだってできる。しかし、それでは何も言わないのと同じくらい、何か事情があることを雄弁に語ってしまうことになるだろう。だから私は曖昧な返事でその場を濁し、核心に触れる質問を避けることにした。「兄弟はいない」「両親はまだ健在よ」。そんな風に。

私ばかりが話すのは不公平だと指摘して、私は話題を変えた。するとハリーは、私が投げかけたどんな質問にも答え始めた。それ...

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