カム18-乙女と借金

ハリーの腕の中で呆然と立ち尽くし、顔をうずめたままでいると、彼の手が私の髪を撫で下ろし、背骨を伝って背中の半ばで止まるのが分かった。その感触に、膝から力が抜けそうになる。ハリーが耳元で囁いた。

「君が望むならいつまでだってこうしていたいけど、これを言ったら後悔するかもな。あいつ、もう行ったよ」

ハリーの声はからかうようだが、優しさが滲んでいる。私を煽ろうとしているようだけど、それが正しいことなのか確信が持てないといった感じだ。私はほんの一瞬だけ余韻に浸り、深呼吸をしてからハリーから離れた。彼は抵抗せず、腕をだらりと下ろす。私は彼を見つめる。今起きたことをどう説明すればいいのか分からない。い...

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