カム42-スリルと苦しみ

若い女性客のグループが魔法のランタンを見て大はしゃぎしているのを、私は嬉しく見守っていた。彼女たちはSNSに投稿するための写真まで撮っている。彼女たち曰く、この変わった照明には思いがけない特典があるらしい。「炎の明かりだと、みんな割り増しで可愛く見える」のだとか。正直なところ、私もなんとなく同意せざるを得ない。顔立ちをはっきり見せるだけの明るさはあるが、肌の粗や失敗した髪色を目立たせない程度には柔らかい光なのだ。

誰かがバーカウンターで新しい内装についてコメントするたび、ハリーは大声で宣言していた。「これはほんの始まりに過ぎない」とか、「もっとたくさんの魔法のディスプレイが登場する」とか。関...