56-勇気と求愛

ベラミーが私の部屋へ向かう背中を見送りながら、私は一息ついて考えを巡らせた。自分を誇らしく思う。確かにあの会話は避けたかったけれど、私は逃げ出さずに乗り切ったのだ。ベラミーの後を追って部屋に入ると、彼は携帯とネクタイをポケットに押し込んでいるところだった。

「ところで、今何時なの?」と私は尋ねた。まだ頭がぼんやりしている。ずいぶんと長く眠っていたような気がするけれど、窓からは日の光が差し込んでいる。つまり、ほんの数時間しか眠っていないか、あるいは夜通し眠り続けて再び昼を迎えたかのどちらかだ。

「一時くらいだ。俺たち、ほぼ二十四時間寝てたことになるな。俺がそれだけ眠ったのは驚きじゃない。君は...

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