第15章 もう彼は必要ない

別荘へ戻ると、小林舞香は着替えを済ませ、リビングのソファに腰を下ろした。

小林修平がキッチンからスープの器を運んできて、彼女の前に置く。

「飲め」

舞香は両手で器を持ち、ひと口すする。熱い。でも、やけに滋味がある。

「……修平さんが作ったの?」顔を上げた。

「うん」小林修平はソファの反対側に座り、テーブルの上の軍事雑誌を手に取る。「脚の回復にいい」

器を抱えたまま、舞香はふいに目の奥がつんとした。

ここに来て、もうすぐ一週間。食事は毎回、小林修平が作ってくれた。

料理に唐辛子は入らない。舞香が辛いものが苦手だと知っているから。

朝起きれば、食卓にはいつも白湯が置いてある。熱...

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