第55章

小林舞香が今朝起きたのは、少し遅めだった。チア部に顔を出したときには、もう体育館じゅうがひっくり返ったみたいな騒ぎになっていた。

「あり得ないって。木下雅美、ずっとあたしたちと一緒にいたじゃん。なんであの子なの?」

「途中でトイレ行ってなかった? いや、私もちゃんとは覚えてないけど」

「なんでよりにもよって、その時間だけ監視カメラが壊れてるのよ」

「キャプテンに嫉妬してたって……何を?」

「どうしたの?」

小林舞香が近づくと、みんなが反射的に視線をそらした。

松本菜々緒が頬をふくらませたまま、ずかずかとやってくる。

「さっき監督が来たの。木下雅美が白状したって」

「白状?」...

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