第21話

21. ワンワン

エマラ・ストーン

リタが家まで送ってくれた。

アパートのドアの、まさに目の前まで。でも、本当はベッドまで送り届けたかったんだろうなってことは分かってた。コーヒーでも飲んでいかない?って私が声をかけるのを待ってたんだ。だけど、私はすぐにお礼を言って、さっさと中に入ってドアに鍵をかけた。『我ながら、ひどい女よね』

『だって女の子には興味ないもん。私が女の子だからね ;)』

それに、リビングには私とイーサンの写真が飾ってある。正体がバレるリスクは冒せない。スマホをベッドに放り投げ、服を脱ぎ捨てて床に散らかし、そのままシャワーに直行する。『シャワー! あ...

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