第312話

早朝、クリントは医師を部屋に案内したが、そこにあったのは空のベッドだった。彼が捜索を命じようとした時、病院の寝巻きを着た背の高い人影が横に立っているのに気がついた。

「アンソニー、君は…」クリントは言い始めたが、アンソニーの鋭い視線と隣のベッドで平和に眠るジェーンの姿を見て黙り込んだ。彼はアンソニーの意図をすぐに理解した。彼女の眠りを邪魔すべきではないのだ。

アンソニーはジェーンの掛け布団を優しく直すと、部下と医師に視線を送り、彼らを病室から連れ出してから慎重にドアを閉めた。

医師は言葉を失った。「あの若い女性は患者の世話をするはずではないのか?なぜ患者が彼女の世話をしているのだろう?」...

ログインして続きを読む