第411話

「悪い人」というのは、間違いなくアーサーのことだった。

一歩前に進み、オリバーは身をかがめて小さな子供を抱きしめた。

ティナは彼の首に抱きついてから、悪い人だと思っているアーサーの方に視線を向けた。

「お前...」

子供の抵抗を感じ取ったアーサーは、一メートルの距離を保ち、それ以上近づく勇気はなかった。しかし、彼の視線はティナに釘付けで、一瞬たりとも彼女から目を離さなかった。

「こちらはティナよ。今日ウィンザーグループで見つけたの」とナタリーは説明した。ティナの存在のおかげで、彼女のアーサーに対する態度はわずかに和らいでいた。

「彼女は...本当に...」アーサーは言葉を探すのに苦...

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