第16章

「こっちでお祝い会を開こうって話になってるんだけど、みんなも来る?」

いつの間にかそばまで来ていた谷口日奈が、優勝の余韻そのままに華やかな笑みを浮かべ、車内の父子へ声をかけた。

桐生朔弥は目を伏せたまま、低く黙り込む。だが答えるより早く、桐生颯馬がぱっと身を乗り出した。

「行く! 僕も行きたい!」

一行はそのまま笑いさざめきながら車に乗り込み、ほどなくして走り去っていった。

反対側から歩いてきた桐生加乃は、遠ざかっていく数台の車を見送り、あからさまに眉をひそめる。

「まったく、あの子ったら……」

年長者として、身内の子にきつい言葉をぶつけるつもりはない。けれど、さっきの光景には...

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