第25章

周囲から向けられる詮索の視線は、一本一本が刃みたいに鋭かった。谷口凛華は覚悟していたはずなのに、いざ指をさされ、ひそひそと囁かれる側に立たされると、胸の奥に重い石でも沈んだような息苦しさが残った。

幸い、行事はすぐに終わった。

谷口凛華は桐生颯馬に二、三言だけ声をかけると、そのまま踵を返した。

「ママ、夜は一緒にごはん――」

谷口凛華は足早に去っていき、その声に気づきもしなかった。

その背中を見送ってから、桐生颯馬は不思議そうに桐生朔弥を見上げる。

「パパ、ママ、今夜は帰ってくる?」

帰ってくる――はずだ。

谷口凛華が桐生颯馬をどれほど大切にしているか、それは誰の目にも明らか...

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