第31章

広いリビングに、谷口日奈が姿を見せた瞬間、場の視線が一斉に彼女へ集まった。

たちまち隣にはフルーツジュースや菓子が所狭しと並べられる。

部屋にいる全員が、申し合わせたように彼女を見つめていた。

谷口日奈は年下の立場でありながら、まるでそれが当然であるかのようにゆったり腰を下ろし、周囲の気遣いを受けている。

水をひと口飲み、菓子を少しつまんでから、気遣わしげな眼差しを向ける家族を見回し、ふっと微笑んだ。

「お父さま、ごめんなさい。今回は期待に添えませんでした。プロジェクトチームの件は、もう少し待っていただくことになりそうです」

「でも、あれはもう決まった話じゃなかったのか? どうし...

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