第39章

谷口凛華は、どうやって自室まで戻ったのかも覚えていなかった。いつの間に眠ったのかすら、わからない。

次に目を開けたときには、窓の外はすっかり明るい。

昨夜の出来事を必死に辿ろうとしても、肝心なところがどうしても抜け落ちていた。

身支度を整え、会社へ向かおうとしたところで着信音が鳴る。

桐生颯馬からだ。

颯馬が電話をかけてくること自体、滅多にない。まして、こんな朝早くに。

凛華はコップの水をひと口含んでから通話を取った。

「どうしたの?」

「ママ、昨日の夜、お酒飲んだって聞いた。大丈夫? 頭痛くない?」

受話器越しの声は、心配そのものだった。

凛華は一瞬、言葉を失う。胸の奥...

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