サムワン・イン・マイ・コーナー

リディアは答えない。

そしてその沈黙――ああ、それだけで十分だ。

「フィンを守りたくて黙ってたんだろ?」

俺はゆっくりと一歩踏み出す。

「あんたの一言さえあれば、すべて解決できたはずだ」俺はその言葉の意味を深く刻み込ませる。「たった一言だぞ。あの家で、あんたのことを本気で案じていたのは俺だけだった。この十二年間、俺がどれだけあんたの死を嘆き悲しんできたか。自分が救えなかったと思い込んで、名前も読めないような異国の地で、あんたのためにキャンドルを灯してきたんだ。あんたのせいで、俺は親父に追い出された。俺がどんな思いをしてきたか、わかるか? もしあの時、俺が――ただそばにいてやれれば救えた...

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