第148章:それが私があなたの好きなところです。

夜は更けていったが、誰もその場を去ろうとはしなかった。

長年、彼らの人生は流転の連続だった。任務から任務へ、セーフハウスからセーフハウスへと渡り歩く日々。あれほど強大だったエイペックスでさえ、決して我が家ではなかった。

だが、ここは違った。

セラフィナはソファに背を預け、脚を伸ばしていた。隣にはデイモンが座り、気まぐれに彼女の指を弄んでいる。部屋の向こうでは、ジェームズとオライオンが話し込んでいた――作戦でも、新入りについてでもなく、ジェームズが最後に読んだ本といった、ごくありふれた話題について。

ドミニクとリアムは暖炉のそばで、酒を飲みながら静かに言葉を交わしている。口論でも、戦術の...

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