第170章:私たちは本当にこれをやっているのか?

ゼイン・リベラは長年、自制という技術を完璧なものにしようと努めてきた。

感情を遮断する方法、物事を区別して考える方法、本当は重要なことを重要でないかのように装う方法を、彼は熟知していた。

だが、薄暗いエイペックス・ラウンジに座り、半分ほど空になったウィスキーグラスを手にしている今、彼は悟った――

コントロールなんて、クソみたいな嘘っぱちだ、と。

なぜなら、テッサ・クインがすべてを台無しにしたからだ。

ゼインが朝目覚めたとき、二つの事実に気づいた。

一つ。自分はテッサにキスをした。

二つ。それを後悔していない。

では、何を後悔したのか?

もしかしたら――ほんの少しでもいいから―...

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