第189章:くそー、愛してる

エイペックスは変わりつつあった。

誰もがそれを感じていた。

CIAとの新たなパートナーシップだけが原因ではない。かつては秘密主義を貫く独立組織だった彼らが、今や世界で最も強力な諜報機関の一つと直接的な繋がりを持ったという事実だけでもない。

何年ぶりかで、自分たちが現場に立つ人間ではなくなったという事実。

個人的な任務はもうない。危険に飛び込むこともない。血を流す者になることも、もうない。

だが……。

誰一人として、これで戦争が終わったのだという感覚を拭えずにいた。

ドミニクは静かだった。

いつも以上に。

機嫌の良い日でさえ感情の起伏が煉瓦壁なみの彼にしては、それは相当なことだ...

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