第33章:見えないところに隠された鍵

壮麗な舞踏室は、磨き上げられた大理石と金色の光に満ち、時折クリスタルグラスが触れ合う音を挟んで、低い話し声がさざ波のように広がっていた。部屋の隅には背の高いガラスの花瓶に生けられた桜が飾られ、その花びらはまるでピンク色の雪片のように、ふわりと宙を舞っている。

だがセラにとって、その空間の美しさは、胸の内で張り詰めた緊張が震えているせいで、まったく目に入らなかった。

舞踏室の向こうから、カイトの探るような視線が突き刺さる。セラはデイモンの腕をきつく掴んだ。カイトはチャコールグレーのスーツを完璧に着こなし、黒髪は非の打ちどころなく整えられている。その鋭い瞳は、何か読み取れない――何か危険な光を...

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