第185章 村上龍平、触らないで

それだけで、村上龍平は満足した。

「笑って笑って、まだ笑うの!」松本由美が言いながら立ち上がろうとしたが、村上龍平は彼女の腰をしっかりと掴んだ。

「行かないよ、電話して人を呼ぶわ」

「君とゆっくり二人きりで過ごしたいんだ」村上龍平は言った。「誰にも邪魔されたくない」

松本由美は本当に彼に手を焼いていた。

彼女は抵抗しようとしたが、彼の傷に触れるのが怖かった。

二人はお互いを見つめ合った。

ゆっくりと、村上龍平の唇が近づき、息が迫ってきた。

松本由美は慌てて避けた。「村上龍平、あなた……」

「由美ちゃん、俺たち、やっぱり子供を作ろう」

彼はゆっくりと、低くかすれた声で誠実に...

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