第171章

ダミアン視点

オリヴィアは次の日の10時になっても目を覚まさなかった。病院の消毒液の匂いが鼻を刺し、目の奥がちかちかする。鼻腔の内側まで酸っぱく腫れたみたいに痛い。

知らせを聞きつけたキャサリンは真っ先に駆けつけ、ジェーンの様子を見る間もなく、ずっと俺のそばにいた。

いつも通り俺の肩にコートを掛けてくる。目は血走り、徹夜が一目で分かった。

香水の匂いが強い。消毒液と混ざって、正直言って不快だ。

「社長、先にお戻りください。ここは私が」

「お前が?」

語尾が上がる。信用していないのが自分でも分かるほどだった。

キャサリンの顔色がさっと変わる。いつからだ。俺たちの間の距離が、こん...

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