第130章 幽霊騒ぎだ

水野家の別荘。

水野誠が外から戻ってきた。玄関をくぐるなり左右をきょろきょろ見回し、誰にも見られていないと確かめてから、ようやく息を吐く。

前に黒崎昌仁を怒らせて吐血入院させて以来、半月以上は大人しくしていた。外へ出るのも怖かったのだ。

だが、ほとぼりが冷めたと踏んだのか、ようやく顔を出した。

スリッパに履き替えた瞬間、二階から水野菜々美が駆け下りてきて、彼の腕を掴み、部屋の隅へ引っ張った。

「お兄ちゃん!」

「なんだよ、引っ張るなって……」

「声、抑えて!」

水野菜々美はキッチンの方をちらりと見て、声を落とす。

「黒崎逸臣が吉村さんって人を寄越してきたの。毎日ずっと見張ら...

ログインして続きを読む