第155章 豪華な家庭

一か月後。

聖マリア病院、最上階のVIP個室。

夏目霧子は値の張る服に着替え、ソファに腰を下ろしていた。

瀬戸家が大金を投じて招いた一流の医療チームと栄養士が昼夜つきっきりで面倒を見たおかげで、身体の傷はすっかり癒えている。

青白く痩せていた頬にも柔らかな肉が戻り、血色が差していた。

杖をついた瀬戸桂栄が入ってくる。後ろには瀬戸康平。

今日の桂栄は上機嫌で、顔じゅうに「めでたい」が貼り付いているみたいだった。

「かわいい孫娘、今日はおうちに帰ろうね」

桂栄はそう言って霧子の手をぎゅっと握った。

老人の掌は温かく、乾いていて、その体温がまっすぐ伝わってくる。

夏目霧子は思わ...

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