第48章 一夜の情事

夜の帳が下りる。

バーのボックス席で、黒崎雅美はグラスを揺らしながら、夏目霧子の悪口を吐き散らしていた。

「ほんっと、あの女は疫病神よ。毎日毎日、いじめられ役みたいなツラしてさ。誰に見せてんの? どうせ逸臣の同情を引きたいだけでしょ」

強い酒をひと口あおり、雅美は隣の水野菜々美へ顔を向ける。

「それに比べて、菜々美はいい子よね。気が利いて、ちゃんとしてて。逸臣があんたを嫁にもらってたら、黒崎家がこんな面倒抱え込むこともなかったのに。……なのに、うちのおじいちゃんときたら頭がどうかしてる。よりにもよって、あの女が好きなんだから!」

水野菜々美は真っ白なワンピースを着ていた。

騒がし...

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