第49章 誘拐事件に手がかりができた

病院を出ると、黒崎逸臣はそのまま車を走らせ、水野菜々美のマンションへ向かった。

部屋の中では、水野菜々美が、昨夜から一緒にいた男をようやく送り出したところだった。

ちょうどノックの音がして、彼女は床に落ちていたレースのネグリジェを拾おうと腰を屈める。

戻ってきたのね。忘れ物でもした?

口元に甘い笑みを浮かべ、着替えもせずシルクのガウンを羽織っただけで、ぱたぱたと玄関へ向かった。

「どうしたの? 何か忘れ――」

ドアを開けた瞬間、声が喉で止まる。

立っていたのは、黒崎逸臣だった。

重く沈んだ表情。目の奥に、凍てつくような怒気。

水野菜々美の胸がどくんと跳ね、反射的に一歩退いた...

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