第51章 ブラックカードで顔を叩く

水野菜々美は歯を食いしばり、自分のカードまで販売員に差し出した。

販売員はブラックカードを夏目霧子へ返し、向き直って水野菜々美にゴールドカードを両手で差し出す。

「水野様……こちらのカードですが、残高が不足しております」

静かな店内で、声量は控えめなのに、その言葉だけがやけに鮮明に響いた。

水野菜々美の顔が、瞬時にかっと赤くなる。ゴールドカードをひったくるように奪い取った。

「ありえない! あんた、読み取り間違えてるんじゃないの!」

販売員は半歩下がり、困ったように首を横に振る。

「端末の表示では残高不足で間違いございません。……20万ほど足りません」

隣に立つ黒崎雅美も、さ...

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