第31章 会社に内通者がいる

エルヴィン視点

ドミニクは明らかに肝を冷やしたようだった。だが、すぐに平静を取り戻す。

「彼女がどこにいるかなんて知りません! 俺を疑うなら、証拠を出してください!」

怒りを抑え込みながらも、胸の奥には冷たいものがじわりと広がっていく。

さっきの激昂は、わざとだ。揺さぶりをかけたかった。あの男が本能でどう反応するか、それを見たかった。

たいていの男なら、あれで崩れる。フラニなど、とっくに白状していたはずだ。

だが、ドミニクは違った。微動だにしない。狼狽もない。

しかも、あの問いを投げた瞬間、彼の目には一瞬、満ち足りたような光さえよぎった。

もし、ナタリーが本当に行方不明だとし...

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