第113章 明日誰かが浮気相手を捕まえる

桜井恵那の体がびくりと震えた。思わず脚を閉じ合わせるが、藤堂聡の体を押し返そうとしていた手からは、徐々に力が抜けていく。

 指先の湿り気が、藤堂聡をさらに増長させた。片手が使えなくとも、桜井恵那の体をまさぐるには十分だ。だが、彼が唇を重ねようとした瞬間、彼女はさっと顔を背けた。

「さっき言ったこと、本当なの?」

 桜井恵那は潜めた声で問うた。

「当たり前だろ」

 藤堂聡は口の端を吊り上げる。

「もし本当にお前が従兄を落とせたら、俺も喜んで『お義姉さん』って呼んでやるよ」

 彼は以前にも女をけしかけて藤堂譲を誘惑させたことがあったが、誰一人として成功しなかった。

 長年、何につけても従兄...

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