第120章 まさか妊娠したのでは

綾瀬悠希はまだ寝ぼけ眼だった。ドアを開け、目を細めながら尋ねる。

「どうされました?」

「ゴホン」

 藤堂譲は視線を逸らすと、鼻の下に手を当てて咳払いをした。

「少し話があるんだが……着替えてからにしよう」

 彼の表情がどこかぎこちない。綾瀬悠希は不思議に思いながら自分の体を見下ろした。

 いつの間にか寝間着の紐が解け、胸元がはだけてしまっている。豊かな膨らみが、危うく全て露わになるところだった。

 彼女は慌てて両手で胸元を隠すと、くるりと背を向け、手早く紐を結び直す。

 そして振り返ると、何事もなかったかのように、にこやかに藤堂譲を見つめた。

「藤堂さん、ご用件は?」

 藤堂譲はま...

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