第13章 調査される

月曜日、凌楽悠は初めて歓律オフィスに出勤した。

以前、楠本和也からはオフィスに来る必要はなく、夜に商若霊のレッスンに行けばいいと言われていたが、やはり出勤した方がいいと彼女は思った。特別扱いはされたくなかった。

オフィスに着くと、大変なことになった。皆がこぞって彼女を見に来たのだ。先週から、歓律がすご腕のピアノの先生を招いたという噂が広まっていたからだ。

「うわ、この人が新しいピアノの先生か。すごく綺麗だな」

「確かに。ファッションセンスもいいし。ただ、付き合いやすい人かどうかは分からないわね」

「見た感じ、人当たりは良さそうじゃない?挨拶しに行ってみる?」

「チッ」不...

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