第145章 彼女が一番愛するもの

綾瀬悠希は呆れ果てていた。プレゼントを受け取ったのは自分なのに、田中さんの方が彼女よりも興奮しているのだから。

 田中さんに手を引かれてオフィスに入ると、綾瀬悠希はデスクを見て絶句した。

 なんということだ。視界いっぱいに広がる万札の山。

 今日の花束は、なんと紙幣で折られていたのだ。

 周囲からの羨望の眼差しを浴びながら、綾瀬悠希はデスクに歩み寄る。添えられたカードを手に取ると、そこには相変わらず望月恒からのメッセージが記されていた。

『今日は君に金の華を贈ろう。

 これからの僕の物は君の物。

 もちろん、君の物は君の物だ』

 ――望月恒

 綾瀬悠希は鳥肌が立つのを感じた。この...

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