第146章 悠々ちゃんに少しも悔しい思いはさせない

綾瀬悠希は考える間もなく、藤堂譲の代わりに断りを入れた。

「藤堂社長はこれからご予定がありますので」

「こら、悠希」

桜井翔平の顔に張り付いた笑みが引きつる。

「藤堂社長がせっかく玄関まで来てくださったんだ。お茶の一杯もお出ししないなんて非礼があるか?」

その媚びへつらう態度に吐き気を催した綾瀬悠希は、顔をしかめて無視を決め込み、藤堂譲にさっさと帰るよう促そうと振り返った。

しかし、予想に反して藤堂譲が口を開く。

「では、お邪魔します」

「藤堂社長、何を仰いますか! ご迷惑だなんてとんでもない。さあさあ、どうぞ中へ!」

桜井翔平はまさか藤堂譲が本当に同意するとは思わず、笑いが止まらない...

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