第175章 彼女は君の命の恩人か?

さっきの出来事を思い出し、桜井恵那は後からこみ上げてくる恐怖に身を震わせた。

もしあの時、死に物狂いで逃げ出していなければ、今頃は藤堂聡の手下どもに輪姦されていただろう。

先ほど目にした藤堂聡も傷だらけで、足を引きずって歩いていた。間違いなく、藤堂譲に制裁を受けたのだ。

だが、南都市において藤堂家は絶対的な権力を握っている。警察に通報したところで無駄だ。

もし警察沙汰になったことが藤堂聡の耳に入れば、奴は間違いなくあの写真や動画をばら撒き、報復として再び暴行を加えるに違いない。

「どうして警察を呼んじゃいけないんだ。一体誰にこんな酷い目にあわされた?」

桜井翔平が尋ねた。

桜井翔...

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