第187章 私も連れて行って

まさか、奴らがもう嗅ぎつけてきたのか?

 綾瀬悠希の瞳に鋭い殺気が宿る。彼女は楠本南を振り返り、低い声で告げた。

「先に部屋に戻って、鍵をかけて」

「悠々ちゃん、け、警察を呼ぼうよ」

 楠本南の顔は蒼白だ。恐怖のあまり、その声は小刻みに震えている。

「その必要はないわ」

 綾瀬悠希はペティナイフを取り出し、慣れた手つきで構えた。

「いいから、早く部屋に戻って。ここは私が片付ける」

「だめだよ! こんなに危険なのに、私だけ隠れてるなんてできない!」

 楠本南は力強く首を横に振った。

 彼女自身も震えるほど怖いはずだ。それでも、親友を一人で危険な目に遭わせるわけにはいかないという思いが勝っ...

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