第199章 部屋を替える

松坂成一もまた、状況が飲み込めていないようだった。彼はフロントへ歩み寄ると、不審げに問い詰めた。

「どういうことだ。この二人の客室は近くにするように言いつけておいただろう?」

 フロント係は手元のリストに目を落とし、さらにシステム上の割り当てを入念に確認してから、恐る恐る松坂成一に答えた。

「成一様。藤堂様はプレジデンシャルスイート、綾瀬様はツインルームとなっております。私どもは、上からのご指示通りに手配したまでですが……」

 その言葉に、楠本南の顔色が変わった。

「ツインルーム? 成一さん、どうして悠々ちゃんがツインルームなの?」

 傍らにいた藤堂譲も眉をひそめた。単に二人の部屋が離れ...

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