第22章 また一緒に寝るわけじゃない

「若葉ちゃん、話を聞いて」藤堂若葉に誤解させてはいけない。

「賛成です」

「え?」二人は固まった。

「綾瀬さんが継母になるのなら、私は構いません」

その言葉を聞いて、綾瀬悠希は危うく自分の唾でむせるところだった。幸いにも他に誰もいなかったからよかったものの、もし誰かいたら、自分が藤堂譲を誘惑しに来たのだと思われてしまうだろう。

藤堂譲のルックスもスタイルも確かに最高レベルだし、お金持ちでもある。けれど、今の彼女に恋愛ごっこをしている暇などない。ましてや、彼女は既婚者なのだ。

綾瀬悠希は歩み寄ると、藤堂若葉の頭を撫でた。「若葉ちゃん、こんなに信頼してくれてありがとう。でも、あなたのお...

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