第35章 私の子供はどこですか?

昨夜家に帰ってからというもの、綾瀬悠希は輾転反側として眠れず、翌日は昼近くになってようやく目を覚ました。部屋のドアを開けると、高田さんが心配そうな顔で戸口に立っていた。

「高田さん、どうしたんですか?」

「お嬢様、先ほどドレスが一着届きまして、お嬢様のものだと。私が代わりにしまっておこうと思ったのですが、その……」高田さんは困り果てた顔をしている。

ドレス? 綾瀬悠希は思い当たった。先日自分が選んだパーティードレスだろう。藤堂譲が直接家に送らせてきたに違いない。

「どうかしましたか? ドレスに何か問題でも?」

「いえ、そういうわけでは……」

高田さんは何か言いにくいことがあるようで...

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