第17章 気晴らし

末永言葉が末永本家へ戻ったのは、午前2時を回ったころだった。

本当は、出かける前の作業の続きをするつもりだった。けれど机に向かっても、頭に浮かぶのはひとつの光景ばかり。

深沢家の別荘の門前で、深沢承弦が温水真雲を支えながら外へ連れ出し、自ら車まで見送っていた――あの場面だ。

執事は、彼がひどく酔っていると言っていた。

それとも、実は少しも酔ってなどいなくて、わざと執事に自分を呼ばせ、あの光景を見せたのだろうか。……だとして、何のために?

深沢承弦という男が、末永言葉には分からない。

それ以上に、いまだに彼の影響を受けてしまう自分自身が理解できなかった。

彼のせいで、自分がどん...

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