第20章 君に、本当の幸せを手に入れてほしい

ジェシカが一歩前へ出て、末永言葉の前に立ちはだかった。

顎をつんと上げ、碧い瞳に隠しもしない敵意を滲ませながら、深沢承弦を上から下までねめつける。

「あなた、誰?」

声そのものは大きくない。けれど、刺すような圧は少しも薄れなかった。

「どうして言葉に着替えろなんて言えるの? そんな権利、あなたにあるの?」

深沢承弦は彼女には答えず、その視線をジェシカの向こうへ滑らせた。見ているのは、末永言葉ただ一人。

だが言葉は彼を見ない。伏せたままの目。指先はかすかに強張り、ドレスの裾をつまんで白くなるほど握りしめていた。

「彼女は俺の奥さんだ」

深沢承弦の声は低く、重い。

その深い瞳の...

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