第28章 婚期を発表する

駐車場はしんと静まり返っていた。

深沢承弦は末永言葉を車のそばまで連れて行き、ドアを開けると、彼女の頭を庇うようにして先に乗せた。自分は反対側へ回り込み、そのまま車内へ滑り込む。

ドアが閉まった瞬間、外の世界はすっぱりと遮断された。

末永言葉はシートにもたれ、そっと目を閉じる。

耳の奥では、さっきの問い詰めるような声がまだ残響していた。振り払っても振り払っても消えない、悪夢みたいに。

車が動き出し、病院をゆっくり後にする。

道中、二人とも何も言わなかった。

言葉は俯き、自分の服へ視線を落とす。

今日出かける前に着替えたばかりだった。アイボリーのニットに、濃紺のロングスカート。と...

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