第36章

林田咲子は言葉を失った。

この結末は、彼女の想定内だった。

「腹くくったならそれでいい。でも、また悔しい思いをしたら……絶対に私に言いなさいよ。私が代わりに仕返ししてあげるんだから!」

末永言葉は笑った。

病室を出て、気づけば彼女は整形外科病棟のフロアまで来ていた。

母の病室は、廊下の突き当たり。

言葉は歩みをゆるめ、扉の小窓からそっと覗く。

母はベッドに半身を起こし、父はベッド脇の椅子に座っている。

二人は穏やかに笑い合い、何気ない会話を続けていた。

――入れない。

結婚式を挙げると知ったら、きっと父はまた怒る。

そう思うだけで、目の奥がつんと熱くなる。

病室の中で...

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