第46章 正式に始まる

その頃、深沢グループの会議室には、重たい空気が垂れ込めていた。

深沢天佑は上座に座り、今にも雨が落ちてきそうな顔をしている。

目の前には一通の資料が広げられていたが、その視線は何度も会議室の扉へ流れていた。

深沢承弦が、まだ来ない。

――いい。実にいい。

彼はスマートフォンを取り上げ、短く番号を押した。

「温水真雲をここへ呼べ」

30分後、温水真雲がハイヒールの音を響かせながら会議室へ入ってきた。

シャンパンカラーのスーツに、髪はきっちりと後ろでまとめられている。いかにも入念に身支度を整えてきた、そんな出で立ちだった。

それでも会議卓の前まで来て、並ぶ見知らぬ顔ぶれを目にし...

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