第248章 人は欲張りすぎてはいけない

「──あんた、宮本蓮太郎よりバカだからよ」

福田祐衣は、今にも空気に溶けて消え入りそうな声でぽつりと告げた。

「私にだって分かるもの。宮本蓮太郎は、口ではどう言おうと、心の中じゃあんたを認めてない。そんな男がね、もし私があんたを人質に取ったらどうすると思う?」

「きっと『渡りに船』って顔で、喜んであんたをあの世に送るわよ」

「でもあんたは違う。あんたは、失いたくないものが多すぎるの」

「今ここで私を止めたところで、あんたの言う“おばさん”が本当にあんたを許すとでも思ってる?」

「バカね」

最後の一言だけ、福田祐衣の声が鋭く跳ね上がる。彼女は顔を上げ、田中紗枝を真っ直ぐ睨み据えた...

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