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里香の視点

家に着いたのは、もう夜の11時を回る頃だった。

バッグをソファへ無造作に放り投げ、そのまま自分も倒れ込むように身を沈め、目を閉じる。

思考はまだ止まってくれない。――今日のデータ、企画案。それらがコマ送りのように、まぶたの裏を駆け巡っていく。

スマホが短く震えた。

手に取って画面を一瞥する。優吾からだ。

眉をひそめ、通話ボタンをタップした。

「何の用?」

「いや、大したことじゃないんだけどさ。ちょっと聞きたくて。――O市って、どこか面白い場所ある? こっちに来てまだ日が浅いから、地元の空気ってやつを味わってみたくて」

雑談でもするような、ひどく気楽な口調。

こ...

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