第21話

第1章

和也の視点

梨乃が電話をかけてからの動きは早かった。

30分も経たないうちに、インターホンが鳴った。

執事が客を案内してくる。現れたのは若い女だった。25、6歳だろうか。肩まで伸びた長い髪に、整った顔立ち。その振る舞いには、恵まれた環境で育った者特有の余裕が漂っている――一目で良家のお嬢様だと分かる。

彼女はまず百合子に向かって軽く会釈をし、次いで俺と梨乃に順番に頷いてみせた。その礼儀作法に隙はなかった。

梨乃はすでに親しげに歩み寄り、彼女の腕に手を絡ませていた。

「さやか、よく来てくれたわね! さあ、座って」

そして百合子と俺を振り返り、得意げな声を隠そうともしない...

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