第32章
高木愛美視点
カチャリ。
ドアのラッチが外れる微かな音が響き、廊下の明かりが細い線となって隙間から差し込んできた。
だが、その光の線が不自然に途切れる。誰かがそこに立っているからだ。
外側からゆっくりとドアが押し開かれ、片足が部屋に踏み入れてきた。
南川茜だった。裸足のまま絨毯を踏みしめる彼女の足音は、まったく聞こえない。
私は警戒を強めて上体を起こし、じりっと後ずさった。
「どうしたの? 私に復讐されるとでも思った?」
南川茜は鼻で笑い、腕を組んで私を見下ろした。
「安心して、私、そこまで馬鹿じゃないわ。この部屋で手を出せば痕跡が残るもの。そんなことしたら、高木文弘が機嫌を...
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