第33章

高木愛美視点

 南川茜は包帯を巻いた腕を掲げ、愉快そうに笑い声を上げた。

「本当に死ねばいいのに、高木愛美」

 彼女は足元のスリッパを蹴り飛ばし、私に向かって歩み寄ってくる。

「あんたみたいな言うことを聞かないクズを閉じ込めるために、高木文弘がどれだけの代償を払ったか知ってる?」

 彼女は一枚の書類を私のそばに力任せに叩きつけた。

 それはまだ公示期間中の議会公告で、ゴールデンムーン・パック議会の最高印である赤いスタンプが押されていた。

【ゴールデンムーン法律・婚姻法第十九条の改正に関する緊急決議】

「よく見なさいよ」

 南川茜の声には歪んだ憎悪が満ちていた。

「法律上、あんた...

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