第38章

北条遥輝視点

 俺達は車を走らせ、加藤治郎が突き止めた住所へと向かった。

 そこは街の最も外れにある廃工業地帯に建つ、ボロボロの小屋だった。

 車を降りるなり、力任せにドアを叩き閉める。

「北条遥輝」

 水瀬美和が俺を呼び止め、車から降りて小走りで駆け寄ってきた。

「少し待って」

 彼女は言う。

「あの男に、聞きたいことがあるの」

 俺は彼女を見下ろした。眼底で燻る怒りは微塵も収まっていない。

「何をだ」

 彼女はすがるような瞳で俺を見つめ返した。

「動画をばらまいた目的を聞きたいの。裏で誰かが糸を引いているような気がしてならないから」

「あいつを殴らずに済ませるつもりはない...

ログインして続きを読む