第41章

高木文弘視点

 松井荘園に到着すると、正門は大きく開け放たれていた。

 石段を上っていくと、両脇に控えていた使用人達が私の姿を認め、一斉に手を止めた。皆、息を殺すように深く頭を垂れている。

 私は本館の重厚なオーク材の扉を押し開き、中へ足を踏み入れた。

 松井美玲はすでに居間のソファに腰を下ろし、厳しい面持ちで私の入場を待ち構えていた。

 私は短く挨拶を口にする。

「おばあちゃん」

 彼女は応えることなく手を振り上げ、膝の上にあった新聞や書類の束を、私の足元の絨毯へ無造作に投げつけた。

「見なさい」

 松井美玲が鋭く呵責する。

「自分が何をしでかしたか、よく見ることね」

 視...

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